魔法の数字は4


こんにちは。制作の田中です。

突然ですが、わたしは覚えるのが苦手です。
他の人が一度で覚えられることでも、何度も繰り返さないとなかなか身につきません。なので、メモをとっていないととても不安な気持ちになります。
メモは人の記憶を助ける便利な道具ですが、今回は人の記憶にまつわるお話です。

「シンプリシティの法則」「情報の分類」について2回にわたって書きましたが、併せて知っておきたいトピックがあります。「提示する情報の量」についてです。

今回の記事も前回に引き続き「インターフェイスデザインの心理学」(Susan Weinschenk著)を参考にしています。

魔法の数字は7ではなく4

「マジカルナンバー7」或いは「7プラスマイナス2の法則」という言葉を聞いたことがありますか?

これは、ジョージ・A・ミラーが提唱した「人が一度に記憶できるのは7個前後(7プラスマイナス2)で、一度に処理できる情報の量は7プラスマイナス2である」という理論です。Webデザインの分野では有名な理論で、わたしも本でマジカルナンバー7についての記述を読んだことがあります。

この「7プラスマイナス2の法則」に疑問を持ったアラン・バッドリーという学者が、ミラーの論文を精査しました。その結果、実際の研究に基づいたものではなく、ミラーがある会議で行った講演の内容であることがわかりました。「7プラスマイナス2の法則」は、根拠がないただの仮説にすぎなかったのです(他の研究者もバッドリーの研究を継続しており、「7プラスマイナス2の法則」は心理学史上、最も引用された100%ウソの論文とも言われています)。

現在の研究によると、「魔法の数字」は4だといいます。

一度に覚えられるのはたった4つだけですが、情報をいくつかの「まとまり」(チャンク)に分けてグループ化することで、記憶力を補うことができます。電話番号が03-1234-1234などというように表記されるのも、10桁の数字を0312341234と続けて表すよりも、3つのチャンクに分けることで覚えやすくなるからです。さらに、市外局番を覚えていればその部分は覚える必要がない為、ひとつのチャンク全体を無視することができます。

段階的開示

研究から、脳が一度に処理できる情報には限界あることがわかりました。与えられる情報が少なければ少ないほど、情報は正しく処理されます。Webサイトの設計/デザインをしていて、やりがちな失敗は一度に大量の情報を与えてしまうことです。

作り手としては、サイトを訪れたユーザーを大量の情報で圧倒することなく、情報を提供していきたいのですが、そんなときに役立つのが、段階的開示です。

アップルのサイトを例に見てみましょう。
サイトには各製品について多くの情報が掲載されていますが、トップページには上部にグローバルナビ、コンテンツ部分には大きな製品の写真が一つと四つの製品の写真が並んでいるだけです。製品を選んでクリックすると詳細ページに移動します。さらに詳しい情報を知りたい場合は、先のページへ進んでより詳細な情報を得ることができます。

一度にたくさんの情報を提供するのではなく、少しずつ情報を提供することで、情報量の多さでユーザーが圧倒されるのを避けると同時に、さまざまなニーズに対応しています。ユーザーの中には、大まかな説明で満足な人もいれば、より詳細な情報が欲しい人もいるからです。

重要なのはクリックの回数ではない

段階的開示を行うと、ユーザーは何度もクリックする必要が生じます。Webサイトの設計を行うときに、「ユーザーのクリックする回数をできるだけ少なく」と考えたくなりますが、クリックの回数は重要ではありません。

クリックのたびに適切な情報を得ながら先へ進めるのであれば、ユーザーは喜んでクリックするといいます。クリックの回数を増やすか、ユーザーに考えさせるかで迷ったら、クリックを増やす方を優先すべきでしょう。ユーザーから考えるというフラストレーションを取り除くことができるからです。

さいごに

段階的開示は有効な方法のひとつですが、万能ではありません。

わたしは宅配ピザが好きなのですが、ネットで注文するときにこの段階的開示にうんざりしてしまうことがあります。入力や確認の段階的開示があまりにもチマチマとしていて、なかなか最後の「注文を確定」ページにたどり着けないからです。

むやみに情報を小出しにしていったとしても、それがニーズと一致していなければ、ユーザーは目的になかなかたどり着けないストレスを感じるでしょう。重要なのは、ユーザーが何を求めているのかを把握して適切な情報を提供していくことだと思います。

最後まで、お読み頂きありがとうございました。

参考記事:魔法の数字は7じゃなくて4


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