選挙演説とSEOライティングの奇妙な関係
東京では都議選が始まりました。
小池都政になってから初の都議選ということで、国政選挙並みに各党力を入れて選挙戦戦っているとか。
選挙期間が始まっていつも気になるのは、選挙カーによる騒音。
「騒音」と決めつけるのもアレなんですが、一生懸命考えて仕事しているときに、
「○○でございます!○○がんばります!」
と大きな音で連呼されるとイラっとするものですよね?
そんな選挙の際のアナウンスや演説を聞いていて気づいたことがあります。
それは
「選挙演説ってSEOライティングと似てない?」
ということ。
選挙演説ってどうしてうるさいと思ってしまうのか?
私の自宅は駅から近い場所にあるので、選挙カーの音だけでなく、駅前の街頭演説も丸聞こえなロケーションです。(駅から近い家は便利ですが、こういうデメリットもあります)
公示直後のお休みの日、家にいて窓を開けているとさっそく
「○○でございます。お休みのところお騒がせして申し訳ありません!」(○○は候補者の名前)
はい、きたー。うるさいなあ...となってしまいました。
しかし、聞こえてくる演説をそれとなく聞いていると、
この○○さんは
- □□区で立候補している人の中で唯一□□区生まれ□□区育ちである
- サラリーマン経験がある
- 現職である
- 都議在職中4年間で一番登壇回数が多かった
だそうです。まあまあアピールポイントありますね。
…そうなんです。ちゃんと聞いていれば、理路整然とわかりやすい言葉でアピールポイントを伝えたり、政策について話したりしているんですよね。では、どうしてうるさいと思ってしまうのか?
一つは「聞きたいと思ってないときに聞こえてくるから」。素敵な音楽でも聞きたくないときに聞こえてきたら騒音になってしまう、っていうアレです。
もう一つの理由がSEOライティングと関係しているのです。(と思ったのです)
SEOライティングのポイントをまとめてみよう
「SEO」ではなく「SEOライティング」としているのには訳があって、「SEOライティング」の際に普段私が気をつけていることが今回のポイントになります。
(2)一文一義
(3)代名詞を使用しない
本当はもっといろいろあるんですが、似ていると思う部分はこの辺り。
これがなんでSEOライティングと似てるのか
SEOライティングのポイントごとに説明します。ちゃんとついてきてね!(笑)
(1)大事なキーワードを必ず入れる
SEOは何のためにやるかといえば、自分のページが目的のキーワードで検索されたときに目立つところに表示されるようにするためです。その目的のキーワードが入っていないページは通常検索しても上位に表示されることはありません。選挙はその候補者の名前を覚えてもらうことが第一の目的。ですから、各文章に「○○は」「わたくし○○は」とその候補者の名前を入れてしゃべります。
そしてSEOライティングと同じなのはさらに、あまりにもそのキーワードが不自然に多いと読んでる方もくどく感じますよね?あまりに不自然だと検索エンジンからガイドライン違反と判断されて削除されてしまうこともあります。選挙でもあまりに何度も何度も名前を連呼されると「うるさい!」となってしまいます。
(2)一文一義
候補者や政治家ご本人が演説に立つ場合、わかりやすく1フレーズずつ間をおいて話すことが多いのではないかと思います。そして文章自体も関係代名詞を使ったり、主語をやたらと長くした文章だったり、ということはしないかと思います。文章は短く、一つの文に1つの意味、というほどシンプルじゃないにしても、かなりこれに近いように意識してしゃべっているのがわかります。
逆にあまりに単純な文章ばかりが並ぶとバカにされているような気分になることもあります。その辺りが「聞きたくない」=「うるさい」の原因になっているかもしれません。
余談ですが、英語圏の政治家の演説(の英語)がとてもわかりやすいのは、こういうことなんだと理解しています。逆にドラマのセリフ(特にシットコムなど日常モノ)はものすごくわかりにくいのは、口語だからなんだろうなと思ってます。余談終わり。
SEOライティング(コピーライティング)でも、あまりに長い文章はぱっと理解がしづらいため、できるだけこの「一文一義」に則って、相手にわかりやすく、相手に合わせた文章を書くことが大切です。
(3)代名詞を使用しない
(1)に通じるところでもあるのですが、例えば政治家さんが「わたくしは~です」としゃべれば、見ている人は「そうね、あなたがそうなのね」と理解できますが、通りがかりのちゃんと見てない人、声だけ聞こえている人には「”わたくし”って誰だよ」となります。ですから、演説や特に選挙カーでの宣伝は「わたしは」とは言わず「○○は」「わたくし○○は」と名前を言います。
これはキーワードを多く使うことのテクニックの一つで、「これ」「それ」などの指示代名詞や「わたしたち」「弊社」などの一般名詞で受けず、「このWEBサイト制作プランは」「そのSEOサービスは」「株式会社DCTでは」など、実際のキーワードを入れてライティングすることで、自然にキーワードを増やすことができます。これも(1)と同じくやりすぎると不自然になるので注意が必要です。
まあまあ強引な結び付けでしたが、こんなことを考えながら選挙戦を見ているといろんな発見があっておもしろいよ、という話でした。選挙もマーケティングなので、通じるところはあって当然なんだと思います。
いよいよ今週末に迫った都議選。こんなに一生懸命街頭演説を聞いたにもかかわらず、結局誰に投票するのかという、一番大切な視点が抜けているため、まだ投票できません!(笑)これからもう少し情報収集して誰に投票するか決めたいと思います。